そもそも認知症は回避できるのかについては、ランセット(2017年)に報告が掲載されています。
生まれてから認知症になるまでを川の流れのように表した図が紹介されています。この川の流れの中で約65%ぐらいは認知症になった原因が不明、もしくは個人では手の打ちようがないもので、残りの35%は個人の努力で回避できそうだということが示されています。
ランセット認知症予防、介入、ケアに関する国際委員会(Lancet International Commission on Dementia Prevention, Intervention and Care)で、ロンドンの2017年アルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer’s Association International Conference)(AAIC 2017)に提出したリポート。
認知症の3分の1以上が個人の生活習慣要因(リスク要因)を対処することで予防できる可能性があると報告されています。
認知症の3分の1以上が個人の生活習慣要因(リスク要因)を対処することで予防できる可能性があると報告されています。
こちらはランセットの図を改変したものです。
一番上の今のところ回避策がわからない部分が65%です。ここは、何が原因か特定できない部分と、遺伝的に認知症になりやすいAPOε4が原因となっている場合です。
残りは回避策がある部分です。
例えば子どもの頃から教育をちゃんとしてるのかということが大きなファクターで、教育の不足が8%を占めています。壮年期になりますと、耳が聞こえにくいことが意外にも認知症の原因の9%となっています。また、高血圧、肥満が原因になっています。高齢期に入ってきますと喫煙、うつ、運動不足、社会的孤立、糖尿病といった原因が認知症につながりやすいということがわかっています。
これらを合計すると35%です。この部分は個人で回避できるものたちです。
この35%の部分に注意して過ごすと、認知症になる確率を自分の心がけで下げることが出来るということか分かってるということです。
皆さん認知症を回避するために、教育、耳、高血圧、肥満、タバコ、うつ、運動不足、社会的な孤立、糖尿病こういったものに気をつけて頂ければと思います。