認知活動と身体活動が認知症リスクを軽減する可能性があるため、中年期における認知活動と身体活動が認知症および認知症サブタイプのリスク低下と関連しているかを調べるために38~54歳(平均年齢47歳)の800名の女性を44年間追跡した。
研究方法
ベースライン時に認知活動(芸術、知的、手作業、宗教、クラブ)と身体活動を評価し、身体活動量によって対象者は4つのグループに分けられ、さらに非アクティブ(グループ1)とアクティブ(グループ2–4)に二分された。追跡期間中は認知症、アルツハイマー病、血管性認知症、混合型認知症、脳血管疾患を伴う認知症について神経精神医学的検査、情報提供者の面接、病院の記録、登録データから得られた情報に基づいて、確立された基準に従って診断した。
研究結果
中年期の認知活動は追跡調査中の総認知症とアルツハイマー病のリスク低下と関連し、認知活動が高い女性は低い女性に比べてアルツハイマー病のリスクが46%、総認知症の発症リスクは34%低かった。また、中年期の身体活動は混合型認知症と脳血管疾患を伴う認知症のリスク低下と関連し、身体活動が高い女性は低い女性に比べて脳血管疾患による認知症のリスクが53%、混合型の認知症のリスクは57%低かった。
中年期の認知活動および身体活動が、認知症および認知症サブタイプのリスク低下と関連している可能性がある。