老化における血漿反応および認知に対するチロシンの用量依存的影響を調査した。
研究方法
方法として、17人の高齢者(60〜75歳)に100、150、または200 mg/kg体重のチロシンを単回摂取し、17人の若い成人(18〜35歳;150 mg/kg体重)と比較した(二重盲検ランダム化クロスオーバー試験)。
チロシン血漿濃度はチロシン摂取の前と90、120、150、180、210、および240分後に測定し、ワーキングメモリはチロシン摂取の90分後にNバック課題(※)を使用して評価した。
※ワーキングメモリ能力を測定する方法のひとつ。現在表示されている問題に答えるのではなく、N個前に表示された問題に答える。
1つ前の問題に答えるのを「1バック」、2つ前の問題に答えるのを「2バック」という。
1つ前の問題に答えるのを「1バック」、2つ前の問題に答えるのを「2バック」という。
研究結果
結果、高齢者の血漿チロシン濃度は用量依存的に増加(p<0.001)し、時間とともに減少した(若い成人は高齢者ほどチロシン濃度の増加が見られないが、時間経過による有意な減少もなかった)。
しかし、高齢者におけるワーキングメモリのパフォーマンスは、チロシンの用量が多いほど(150、200mg/kg体重)低下した(p = 0.048)。
結論として、血漿チロシン応答の加齢に伴う増加が、高齢者において認知機能の用量依存的な低下と関連していることを示している。