全国健康栄養調査(NHANES)に参加した60歳以上の高齢者2,420名を対象にし、低ビタミンB12および高葉酸レベルと認知機能との関係を調べた横断研究。
研究方法
葉酸については代謝されていない血清葉酸(UMFA)1nmol/L 以上、または血清総葉酸 74.1nmol/L 以上を高葉酸レベルとし、ビタミンB12はメチルマロン酸 271nmol/L 以上、または血清ビタミンB12 150pmol/L 以下を低ビタミンB12レベルと定義した。
認知機能については、4種類の認知機能テスト(DSST、CERAD-DR、単語学習テスト、動物流暢性テスト)で評価した。
研究結果
ビタミンB12レベルが低いことはDSSTと動物流暢性テストで有意にスコアが低く、ビタミンB12レベルが低くUMFAが高いとDSSTが、ビタミンB12レベルが低く血清総葉酸が高いと動物流暢性テストでスコアが低くなるリスクが高くなった。
また、ビタミンB12レベルが正常な人で、UMFAまたは血清総葉酸レベルが高いとCERAD-DRの結果が良かった。
低ビタミンB12レベルは独立して、また高葉酸レベルと組み合わせた場合でも高齢者の認知機能低下に関連している可能性があります。