葉酸、ビタミンB群、ビタミンD(VD)およびコエンザイムQ10(CoQ10)と、認知機能低下の予防との関係を評価した。
※今回の研究では、ビタミンB群の種類は特定していない。
研究方法
2019年7月から2022年1月まで上海交通大学医学部付属上海第六人民病院(中国)で認知状態の評価を受けた50歳以上の成人892人に対し、認知障害の程度に応じて正常(NC)群185名、主観的認知機能低下(SCD:認知障害の初期段階、軽度の注意散漫)群227名、軽度認知障害(MCI)群296名、アルツハイマー病(AD)群184名に分けた。
基本的な臨床情報(性別、年齢、教育年数、身長、体重、婚姻状況、病歴など)および食習慣アンケート、サプリメント(葉酸、ビタミンB群、VD、CoQ10)の摂取頻度を収集した。
※食習慣アンケートは家族もしくは患者の食習慣に詳しい人が記入したため、認知障害の影響を受けていない。
研究結果
毎日VDを摂取したMCI患者は、摂取しなかった患者と比べてアルツハイマー病のリスクが低いことが示された。
正常群のうち、VD、葉酸、CoQ10を毎日摂取している、もしくはビタミンB群を毎日または時々摂取した患者は、摂取しなかった患者と比べて認知障害のリスクが低かった。この相関関係は教育レベル、年齢など、認知に影響を与える可能性がある他の要因とは無関係だった。
結論
ビタミン(葉酸、ビタミンB群、VD、CoQ10)を毎日摂取している患者では認知障害の有病率が低いことを確認できたため、それらを毎日摂取することをお勧めしたい。
特にビタミンB群は、高齢者の認知機能低下および神経変性の発生が予防できると期待され、ビタミンDはすでに認知障害を患っている高齢者の進行を遅らせる可能性がある。