ビタミンD欠乏症、認知障害を複合した場合における全死因死亡率への影響を評価した。
研究方法
2011~2012年の中国縦断健康長寿調査(CLHLS)に登録された地域在住の65歳以上の成人(n = 1,673)に対し、血漿 25-ヒドロキシビタミン D [25(OH)D] 検査(※1)、ミニメンタルステート検査 (MMSE) の結果を評価し、ビタミンD濃度と認知機能との相互作用を評価した。
※1. 25(OH)D濃度を4つのグループに分類した:<27.1、27.1~37.9、37.9~52.4、≧52.4nmol/L
研究結果
平均3.8±1.9年の追跡調査中に、899人(53.7%)が死亡した。
ベースライン時の 25(OH)D 濃度の低さと認知障害の有無が、追跡調査中の全死因死亡リスクの上昇と関連していた(25(OH)D濃度が最も低い参加者は、もっとも高い参加者よりも死亡率が2.11倍高かった。25(OH)D濃度が39.98nmol/L未満では、死亡率が急激に増加した)。
同様に、認知障害は全死因死亡リスクと有意に関連していた。両者を組み合わせて分析した結果、ビタミンD不足(<50nmol/L)と認知障害の両方を有する高齢者で死亡リスクが最も高かった。
結論
血漿25(OH)D濃度の低下と認知障害は、それぞれ独立して全死因死亡リスクの増加と関連していた。
25(OH)D 濃度と認知障害の組み合わせは、中国の高齢者の全死因死亡率に相乗効果をもたらす可能性がある。