歩行速度と認知機能の関係を調査するために、182名のメキシコ系アメリカ人と188名のヨーロッパ系アメリカ人の高齢者(65~74歳)を平均9.5年追跡したコホート研究。
認知機能はMMSE(mini‐mental state examination)で、歩行速度は10フィート(約3m)の歩行時間を測定することで評価した。
研究結果
対象者が以下の3群に分けられることを発見した。
・認知機能と歩行能力が安定している群(65.4%)
・認知機能と身体機能が脆弱な群(22.2%)
・身体機能が脆弱な群(12.4%)
また、メキシコ系アメリカ人は、ヨーロッパ系アメリカ人の約3.8倍も認知機能と身体機能が脆弱な群に分類される可能性が高かった。特に糖尿病であることは、認知機能と身体機能が脆弱な群に分類される可能性が4.5倍も高かった。そして、認知機能と身体機能が脆弱な群および身体機能が脆弱な群の人は、死亡リスクが約5~7倍高かった。
認知と歩行速度の軌跡は概ね平行しており、社会経済的地位と民族性が健康に大きな影響を及ぼすことが示唆されました。