アルツハイマー病(AD)やレビー小体型認知症(LBD)の患者は独特の歩行パターンを持っている。そこで、60歳以上のLBD患者(45名)、AD患者(36名)、認知的に健康な高齢者(29名)を対象に歩行パターンを調べ、歩行パターンによって認知症のタイプを特定できるのかを検証した。
研究方法
認知機能は「MMSE」、「Addenbrooke's Cognitive Examination III (ACE‐III)」、「Trail Making Task A (TMT‐A) 」、「Trail Making Task B (TMT‐B) 」、「FAS言語音素流暢性テスト」を用いて測定され、歩行パターンは運動の5つの独立した領域(速度、リズム、変動性、非対称性、姿勢制御)を反映する16の歩行特性について定量化した。
研究結果
LBD患者はAD患者と比較して歩行時間が長く、歩幅の変動性が大きく、脚のスイング時間が非対称であり、歩幅変動と歩幅非対称性の両方がLBDの有意な予測因子と考えられ、感度は73%、特異度は40%だった。
歩行パターンによって認知症のサブタイプを識別できる可能性があります。