高齢者の認知能力に対するオメガ3系脂肪酸、カロテノイド、ビタミンEの補給の複合効果を調査した。
研究方法
方法として、 65歳以上の認知的に健康な個人60名に対し、毎日、 魚油1g(DHA430 mg、EPA90 mg)、カロテノイド22 mg(ルテイン10 mg、メソゼアキサンチン10 mg、ゼアキサンチン2 mg)およびビタミンE15mgを1日2カプセルとし、食事と一緒に24ヶ月間摂取した(=アクティブ群とする。二重盲検プラセボ対照無作為化臨床試験)。
研究結果
結果、24ヶ月の摂取後、アクティブ群(n =30;69.03±4.41歳;56.7%女性)は、プラセボ群(n =30;69.77±3.74歳;70%女性)と比較して、ワーキングメモリタスクのエラーが有意に少なかった。
興味深いことに、ワーキングメモリタスクの認知的負荷が増加するほど、アクティブ群はプラセボ群をより上回った。
さらに、組織中のカロテノイド濃度の変化の大きさ、組織カロテノイド濃度、血清キサントフィルカロテノイド濃度、および血漿オメガ3系脂肪酸濃度の統計的に有意な改善も、アクティブ群で観察された。
結論
結論として、これらの栄養素が相乗的に、そして用量依存的に作用して、認知的に健康な高齢者の作業記憶を改善するという生物学的にもっともらしい理論的根拠を示している。
カロテノイドとオメガ3系脂肪酸の栄養摂取量を増やすことが、後年の認知機能低下と認知症のリスクを減らすのに有益であると証明されるかもしれない。