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認知的に正常な日本人高齢者における白質病変およびアミロイドβ沈着とエクオール産生状態との関連-2020.10.22

2020年11月27日

大豆イソフラボン(ダイゼイン)が腸内細菌叢によって代謝されてできるエクオールは、大豆イソフラボンとその代謝物の中で最も生物活性があり、抗酸化作用と抗アミロイド形成作用があると言われている。そこで、エクオールと白質病変との関連を評価するために認知的に正常な高齢者(平均年齢81.6歳)91名を対象に研究を行った。

研究方法

白質病変(WML)体積は「MRI」、アミロイドβ(Aβ)の脳への蓄積は「PET」にて解析し、空腹時に摂取した血清を用いてエクオール、ダイゼイン、ゲニステインなどの濃度を測定し、参加者はエクオール産生状態で「非産生者」、「高産生者(>中央値)」と「低産生者(≤中央値)」の3つに分けられた。

研究結果

参加者の24.2%がAβ陽性で、51%がエクオール産生者だった。また、エクオール生産状態はWML体積と有意に逆相関し、高生産者のWML体積は非生産者よりも50%以上低かった。なお、エクオール産生状態はAβ沈着とは有意な関連はみられなかった。

エクオールはWML体積に影響を与える要因である可能性があります。

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