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早期発症型アルツハイマー型認知症と前頭側頭型認知症の環境リスク要因:イタリア北部での症例対照研究-2020.10.29

2021年6月9日

早期発症型認知症(EOD)は、65歳前に症状が発現する認知症として定義されているが、EODの病因における環境リスク要因は明らかになっていない。そこで、EOD病因における環境リスク要因を評価するために、112名を対象に調査した。

研究方法

症例対照研究を用いて2016年から2019年までのEOD症例を集めて対象を抽出した。EOD患者には早期発症型アルツハイマー型認知症(EOAD)、早期発症型前頭側頭型認知症(EOFTD)、血管性認知症、レビー小体型認知症が含まれていた。認知症の発症に関連する可能性のある既往歴およびライフスタイルの要因(居住歴、化学物質への職業的および環境的曝露、生活習慣など)は自己記入式の質問票を用いて調査した。

研究結果

アルミニウム、農薬、溶剤・染料、冷媒・不凍液・冷却液の職業暴露は、EOADよりもEOFTDのオッズ比増加と関連し、セレンを含む栄養補助食品の長期使用は、特にEOFTDのオッズ比の増加と関連していた。その他、サッカーや喫煙ではEOADとEOFTDのオッズ比増加を示し、サイクリングはEOFTDでのみリスク増加と関連していた。スポーツ全般は、両方のタイプのEODのリスクが低下していた。

いくつかの化学物質曝露やプロスポーツなどの環境および行動はEOFTDの危険因子であり、スポーツ全般はEODリスクの低下に関連している可能性があります。

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