アポリポ蛋白E(APOE)ε4は、認知障害とアルツハイマー病(AD)の重要な遺伝的危険因子だが、喫煙、飲酒、食事、身体活動などのライフスタイル要因も認知に影響を与えると言われている。そこで、ライフスタイルと認知機能の関連性がAPOE遺伝子型によって異なるかどうかを、中国で進行中の縦断的健康長寿研究に参加した80歳以上(平均年齢90.1歳)の6,160名を対象にデータ調査した。
研究方法
認知機能はMini-Mental State Examination (MMSE)を用いて調べ、健康的なライフスタイルプロファイルは、喫煙、アルコール消費、食事パターン、身体活動、および体重を含む複合測定によって3つのグループに分類された。 APOE遺伝子型についてはAPOEε4キャリアと非キャリアに分類された。
研究結果
現在の身体活動と好ましい食事パターンは認知障害の確率が低いことと有意に関連し、不健康なライフスタイルの参加者と比較して中程度および健康的なライフスタイルプロファイルの参加者は28%および55%認知障害のオッズが低かった。また、APOEε4非キャリアはε4対立遺伝子を保有する人と比較し、認知障害のオッズが17%低かった。
APOE遺伝子型に関係なく、より健康的なライフスタイルが高齢者のより良い認知機能と関連している可能性があります。