鉄、銅、亜鉛、マンガンの食事摂取レベルと認知機能との関連性を評価した。
研究方法
健康と退職に関する調査 (2013年~2014年;米国の 50 歳以上の人々を対象とした全国縦断調査) により抽出された6863 人の参加者 (平均年齢 :66.7歳)に対し、食物摂取頻度アンケートから鉄、銅、亜鉛、およびマンガンの食事摂取レベルを算出した。
そして、認知機能は認知状態の電話インタビュー(※)により評価した。
※27点満点のテストで、12点未満を認知障害と定義した。
研究結果
参加者の 1 日食事摂取量の平均値は、鉄が 13.3mg、銅が 1.4mg、亜鉛が 10.7mg、マンガンが 3.3mg だった。
認知スコアの平均値は15.3点/27点だった。
鉄の食事摂取量が最も高い第5五分位(17.7mg以上)では認知機能の低いスコアと関連していたが、第2五分位(8.1~10.8mg)では認知機能の高いスコアと関連していた。
また銅の食事摂取量は、より多いほど認知機能の低下と関連していたが、亜鉛およびマンガンの食事摂取量と認知機能に有意な関連性はみられなかった。
結論
この横断的研究では、中年および高齢者の間で、食事中の鉄と銅の摂取量が多いほど認知機能が低下することがわかった。
亜鉛とマンガンの摂取レベルは認知機能と有意な関連はなかった。