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高齢者の認知機能に対する多成分運動と栄養サポートの効果:ランダム化比較試験-2019.12.11

高齢者の認知機能に対して、運動のみの効果および大豆ペプチド補給と運動の組み合わせの効果を比較した。

研究方法

認知機能障害を持たない 60 歳以上の 67 名(大阪)を、運動グループ (Exグループ、n = 36) および運動+栄養グループ (Ex+Nt グループ、n = 31)の2つのグループに分けた。

両グループともに15 分間の記憶トレーニング活動と 45 分間の有酸素運動を週 1 回 90 日間行い、後者グループはトレーニング後さらに大豆ペプチド(ペプチドアスリータ 4000:不二製油株式会社、大豆ペプチド4g含有)を 90 日間摂取した。

MMSE(Mini-Mental Status Examination) のスコア(※1)、トレイルメイキング テスト(※2)の A/B スコア、骨格筋量指数、握力、歩行速度、および老年性うつ病スケールについて、ベースライン時および介入後に測定した。無作為化非盲検対照臨床試験(RCT)。

※1.認知機能の状態を客観的に評価できる国際的なスクリーニングツールのひとつ。
※2.脳機能障害、特に前頭葉に関わる障害の特定および診断に使用されることが多いことから、認知症の簡易なスクリーニングツールとされる。TMT-A検査(数字を順番に並べる作業)とTMT-B(数字と文字の切り替え作業)がある。

研究結果

両グループにおいて、トレイルメイキングテストA スコア、骨格筋量指数、握力、および歩行速度の有意な時間効果がみられた(トレイルメイキングテストBスコアは改善しなかった)。
MMSEのサブ分析項目のうち、計算機能の有意な時間効果が大豆ペプチドを追加したグループでみられた。

結論

運動と大豆ペプチド補給の組み合わせだけではなく、運動のみでも認知機能の一部を改善するのに効果的であることがわかった。
 

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