食事によるコリン摂取量と認知症およびアルツハイマー病の発症リスクとの関連性を検証した。
研究方法
126 項目のハーバード FFQ(Food Frequency Questionnaire;食事摂取頻度調査票)により選考された、認知症および脳卒中ではない 3,224名(女性53.8%、平均±SD年齢、54.5±9.7歳)を追跡調査した。
総コリン、およびベタインの摂取量は、公開されている栄養素データベースに基づいて推定された。
食事によるコリン摂取量と認知症およびアルツハイマー病の発症との関連について、共変量を調整して混合効果コックス比例ハザード モデルでを用いて分析した。
※コリン摂取量は低値(≤ 219 および ≤ 215 mg/日)、中値(220 ~ 516 mg/日および 216 ~ 552 mg/日)、および高値(≧ 517 および≧ 553 mg/日)と定義した。
研究結果
平均±SDは16.1±5.1年(1991年から2011年)の追跡調査後、247 件の認知症症例が発生し、そのうち 177 件が アルツハイマー病だった。
食事によるコリン摂取量と、認知症およびアルツハイマー病の発生とは非線形(放物線;低値・高値で発症リスク高く、中値で発症リスクもっとも低い)の関係を示した。
認知症とアルツハイマー病の発生確率が最も低かったのは、コリン摂取量がそれぞれ 371 mg/日と 385 mg/日だった。
結論
コリン摂取量が少ない場合、認知症やアルツハイマー病の発症リスクが増加した(コリン摂取量が多い場合も発症リスクが高くなったが、統計的に有意ではなかった)。