認知症回避の情報発信&コミュニケーションサイト

オメガ3脂肪酸、カロテノイド、ビタミンEの補給は、高齢者の作業記憶を改善します:無作為化臨床試験-2021.12.07

2022年4月26日

高齢者の認知能力に対するω-3系脂肪酸、カロテノイド、ビタミンEの補給の複合効果を調査するため、 65歳以上の認知的に健康な個人60名(アクティブ群n=30、プラセボ群n=30)に対し、アクティブ群:魚油1g/日(うちDHA430 mg、EPA90 mg)、カロテノイド22mg(10 mgのルテイン、10 mgのメソゼアキサンチン、2 mgのゼアキサンチン)およびビタミンE15mg(D-αトコフェロール)を24ヶ月間摂取させた(二重盲検ランダム化比較対照試験)。

研究結果

結果、 24か月の補給後、アクティブ群(69.03±4.41歳;56.7%女性)はワーキングメモリタスクで有意に少ないエラーを記録した。とくにワーキングメモリタスクの認知的負荷が増加するにつれて、よりプラセボ群を上回った。

また、組織カロテノイド濃度、血清キサントフィルカロテノイド濃度、組織中のカロテノイド濃度の変化の大きさ、および血漿ω-3系脂肪酸濃度についてもアクティブ群で統計的に有意な改善を示した(しかし、血清D-αトコフェロール濃度のみ改善しなかった。1日当たりの摂取量が少なかった可能性がある)。

結論として、これらの栄養素を24ヶ月摂取することで認知的に健康な高齢者の作業記憶を改善することを示している。カロテノイドとω-3系脂肪酸の栄養摂取量を増やすことは、後年の認知機能低下と認知症のリスクを減らすのに有益である可能性がある。

  • B!