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チアミンの減少は、脳梗塞による認知障害の予測因子-2020.8.5

2020年10月28日

チアミン(ビタミンB1)の減少は、アルツハイマー病によって引き起こされる認知障害に関連していると報告されているが、急性虚血性脳卒中後の認知障害との関連は調べられていない。そこで、急性脳梗塞の患者182名を対象に血中チアミンと脳卒中後の認知障害について調査した。

研究方法

脳卒中後は脳画像(CTおよび/またはMRI)によって梗塞状況を確認し、脳卒中尺度(NIHSS)、ミニメンタルステート検査(MMSE)、ハミルトン不安尺度(HAMA)が医師によって実施された。 血中チアミン濃度以外に他のビタミンB群〔ビタミンB2、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B9(葉酸)〕も測定し、高血圧、高脂血症、糖尿病、虚血性心疾患、貧血、高尿酸血症の病歴、喫煙歴、飲酒量の他、空腹時血清グルコース、甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ホモシステイン濃度も調べた。

研究結果

チアミンの減少(1ng / ml未満)は脳卒中後の認知障害と有意に関連していた。チアミン以外のビタミンB群は脳卒中後の認知障害との関連が見られなかったが、高齢、低学歴、糖尿病、左半球梗塞、NIHSSについては脳卒中後の認知障害と有意に関連していた。

チアミンの減少は、急性脳梗塞患者の早期認知障害の予測因子の1つとして考えられる可能性があります。

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