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小児期以降の心血管リスク要因の軌跡と中年期の認知能力: フィンランドの若者の心血管リスクに関する研究

2021年6月23日

高血圧、有害な血清脂質、中年期の肥満指数の上昇などの心血管リスク要因は、認知能力に悪影響を与える可能性があり、小児期以降の心血管リスク要因の蓄積は認知能力と関連している可能性が考えられる。そこで、3,596名の3~18歳の子どもを1980年から約31年間追跡し、小児期から中年までの心血管リスク要因の関連性、それらの蓄積、および中年期の認知能力について調べるためのコホート研究を行った。

研究方法

ベースライン調査は1980年に実施され、追跡調査は1983年、1986年、2001年、2007年、2011年に調査対象集団全体に対して、1989年と1992年にもサブサンプルに対して実施された。認知テストは、「エピソード記憶と連想学習」「短期作業記憶」「反応と動作時間」「視覚処理と持続的注意力」について34~49歳(2011年)の時に2,026名の参加者においてコンピューター化されたテストを使用して実施された。

研究結果

収縮期血圧と総コレステロール値が高い場合は、低い場合に比べて中年期の「エピソード記憶と連想学習」の低下と関連していた。小児期からの肥満は正常体重と比較し、「視覚処理と持続的注意力」の低下と関連していた。心血管危険因子があることは、「エピソード記憶と連想学習」、「視覚処理と持続的注意力」、「反応時間と動作時間」と逆の関連を示した。

小児期から心血管危険因子に対する予防をすることで、成人期の認知機能を促進する可能性があります。

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