大豆イソフラボン(ダイゼイン)が腸内細菌叢によって代謝されてできるエクオールは、大豆イソフラボンとその代謝物の中で最も生物活性があり、抗酸化作用と抗アミロイド形成作用があると言われている。そこで、エクオールと白質病変との関連を評価するために認知的に正常な高齢者(平均年齢81.6歳)91名を対象に研究を行った。
研究方法
白質病変(WML)体積は「MRI」、アミロイドβ(Aβ)の脳への蓄積は「PET」にて解析し、空腹時に摂取した血清を用いてエクオール、ダイゼイン、ゲニステインなどの濃度を測定し、参加者はエクオール産生状態で「非産生者」、「高産生者(>中央値)」と「低産生者(≤中央値)」の3つに分けられた。
研究結果
参加者の24.2%がAβ陽性で、51%がエクオール産生者だった。また、エクオール生産状態はWML体積と有意に逆相関し、高生産者のWML体積は非生産者よりも50%以上低かった。なお、エクオール産生状態はAβ沈着とは有意な関連はみられなかった。
エクオールはWML体積に影響を与える要因である可能性があります。
論文情報
掲載誌 | Alzheimers Dement (N Y). 2020; 6(1): e12089. |
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掲載日 | 2020年10月22日 |
DOI | 10.1002/trc2.12089 |