有識者インタビュー・コラム 株式会社ヘルシーパス田村忠司

そもそも認知症は回避できるのか?

2019年12月12日

そもそも認知症は回避できるのかについては、ランセット(2017年)に報告が掲載されています。

生まれてから認知症になるまでを川の流れのように表した図が紹介されています。この川の流れの中で約65%ぐらいは認知症になった原因が不明、もしくは個人では手の打ちようがないもので、残りの35%は個人の努力で回避できそうだということが示されています。

ランセット認知症予防、介入、ケアに関する国際委員会(Lancet International Commission on Dementia Prevention, Intervention and Care)で、ロンドンの2017年アルツハイマー病協会国際会議(Alzheimer’s Association International Conference)(AAIC 2017)に提出したリポート。
認知症の3分の1以上が個人の生活習慣要因(リスク要因)を対処することで予防できる可能性があると報告されています。

認知症の3文の1は回避可能

こちらはランセットの図を改変したものです。

一番上の今のところ回避策がわからない部分が65%です。ここは、何が原因か特定できない部分と、遺伝的に認知症になりやすいAPOε4が原因となっている場合です。

残りは回避策がある部分です。
例えば子どもの頃から教育をちゃんとしてるのかということが大きなファクターで、教育の不足が8%を占めています。壮年期になりますと、耳が聞こえにくいことが意外にも認知症の原因の9%となっています。また、高血圧、肥満が原因になっています。高齢期に入ってきますと喫煙、うつ、運動不足、社会的孤立、糖尿病といった原因が認知症につながりやすいということがわかっています。
これらを合計すると35%です。この部分は個人で回避できるものたちです。

この35%の部分に注意して過ごすと、認知症になる確率を自分の心がけで下げることが出来るということか分かってるということです。

皆さん認知症を回避するために、教育、耳、高血圧、肥満、タバコ、うつ、運動不足、社会的な孤立、糖尿病こういったものに気をつけて頂ければと思います。

この記事の著者

田村忠司

株式会社ヘルシーパス 代表取締役社長

日本抗加齢医学会会員。
東京大学工学部産業機械工学科卒業。株式会社リクルートを経て、98年「日本老化制御研究所」を擁する日研フード株式会社に入社。取締役経営企画室長、サプリメント製造子会社の代表取締役社長として活躍。
2006年「医療従事者が自信を持って使えるサプリメントを提供してほしい」との、医師、薬剤師からの要請に応えて、株式会社ヘルシーパスを設立。医療現場とサプリメント製造現場の両方を知る立場から、医療機関専用サプリメント開発メーカーの経営にあたっている。

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