ダークチョコレートは認知機能向上の可能性があるかどうか検証した。
研究方法
インターネット広告を通じて募集された44名(女性24名、男性20名、平均年齢:52.05±7.08歳)に対し、72%のダークチョコレートを5片(カカオポリフェノール635mg/日)を4週間摂取させた。
疲労感は、カルダー疲労スケール(CFS;疲労の重症度を測定するために最も頻繁に使用されるスケールの 1 つ、14項目で肉体疲労と精神疲労を評価できる)および健康調査(SF-36;8つの領域を36項目の質問で構成し、健康状態を評価する)を用いて評価した。
認知機能は、トレイルメイキングテスト(TMT;パートA・Bで評価する。前者は25の数字を順列させ、後者は25の数字とアルファベットを交互に並べる)、ストループテスト(文字が書きこまれた4色のカードをランダムに回答する)、日本語版MCIスクリー二ング(記憶力・実行機能・言語を評価する10分間テストで、記憶性能指数(MPI)スコアを0~100の間で算出する)を用いて評価した。
研究結果
介入群のダークチョコレートの平均摂取量は4.98個/日で、これは631.79mg(範囲:567.14~635.00mg)に相当する。
摂取4週間後の身体的および精神疲労の軽減率に有意差が見られた。加えて、疲労感の軽減により社会的機能、実行機能、記憶力、灰白質の量が直接的および間接的に強化することが明らかになった。
結論
ダークチョコレートは疲労を軽減し、脳の健康やさまざまな認知機能、さらには生活の質の改善につながる可能性があることを示唆している。
論文情報
掲載誌 | Behav Neurol. 2022; 2022: 6021811. |
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掲載日 | 2022年12月13日 |
DOI | 10.1155/2022/6021811 |