糖尿病は認知症のリスク増加と関連していると言われている。そこで、韓国の40歳以上の糖尿病患者1,917,702名を対象に平均で5.1年追跡し、認知症と若年性認知症(YOD)の発生率と危険因子を分析した。
研究方法
2009年1月1日から2012年12月31日の間に抽出された糖尿病患者を対象に認知症診断日まで、または2015年12月31日まで追跡調査を行った。参加者の生活習慣や病歴などは問診票を用いて調査した。また、リスク因子と全てのタイプの認知症、アルツハイマー病(AD)または血管性認知症(VaD)の発症との関連を評価し、YODと遅発性認知症(LOD)の発生に及ぼす危険因子の影響を比較した。
研究結果
現在の喫煙、低所得、糖尿病歴5年以上、低BMI、高血圧、糖尿病網膜症、慢性腎臓病、脳卒中、虚血性心疾患、うつ病、経口血糖降下剤やインスリン治療の被験者は認知症を発症しやすかった。また、現在の喫煙、高血圧、以前の脳卒中や心血管疾患などの危険因子は、ADよりもVaDの発症とより強く関連していた。低BMIと脳卒中やうつ病の病歴は、LODよりもYODの発症に強い影響を及ぼした。
認知症の危険因子を最適に管理することで糖尿病患者の認知症を予防できる可能性があります。
論文情報
掲載誌 | Diabetes Metab J . 2020 Feb;44(1):113-124. |
---|---|
掲載日 | 2019年11月12日 |
DOI | 10.4093/dmj.2018.0216. |