認知症患者の増加とその生活の質の低さ、およびその家族の生活の質低下に関連する高い社会経済的コストを考慮すると、非薬理学的介入である作業療法は認知症の予防や治療として注目される。そこで、65歳以上の軽度アルツハイマー病(AD)患者35名を対象として想起に基づく作業療法プログラムが認知機能に与える影響を調べた。
研究方法
作業療法プログラムは、多くの研究で認知機能の改善による認知症予防に効果があるとされている活動を5つのカテゴリーに分類し(身体的、園芸的、音楽的、芸術的、および手段的日常生活動作)、専門家によって作られた。実験群は作業療法プログラムに参加し、月曜日から金曜日まで毎日1つの活動に1時間従事するように求められ(合計24回)、コントロール群は既存の施設が提供する定期的な活動に参加した。また、「認知機能〔Korean Mini-Mental Status Examination (K-MMSE)、Subjective Memory Complaints Questionnaire (SMCQ)〕」、「うつ病の状態〔Short-Form Geriatric Depression Scale-K (SGDS-K)〕」、「生活の質〔Geriatric Quality of Life-Dementia (GQOL-D)〕」について、介入前後で評価を実施した。
研究結果
コントロール群と比較して実験群は、認知機能、うつ病、生活の質について有意な改善を示した。
作業療法プログラムの実施は、軽度のAD患者のケアに貢献することが期待されます。
論文情報
掲載誌 | Occup Ther Int . 2020 Jul 30;2020:6305727. |
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掲載日 | 2020年08月01日 |
DOI | 10.1155/2020/6305727. |