閉経後の女性を対象とした、レスベラトロールと脳血管機能、認知機能の改善について、大規模、長期間の調査を実施した(ランダム化二重盲検プラセボ対照試験)。
45~85歳の閉経後の女性(n=129、閉経後12ヶ月以上)に対して、トランスレスベラトロール75mg×2回/日、12ヶ月間摂取させて、認知、脳血流、脳血管反応性(CVR)および心血管代謝マーカー(血圧、糖尿病マーカー、空腹時脂質)への影響を評価した。
研究結果
結果、レスベラトロール摂取によって、認知能力のうち処理速度および認知の柔軟性が改善した。とくに認知能力のベースラインが低い女性では、全体的な認知能力の改善が有意だった。
また、認知刺激に対するCVRの低下を弱めた。プラセボ群とレスベラトロール群間にて心血管代謝マーカーに有意差はなかったが、レスベラトロールによるCVRの改善は空腹時血糖の低下と関連していた。
結論として、レスベラトロールの定期的な摂取により、閉経後の女性の認知機能、脳血管機能を強化(とくに内皮機能障害、認知機能障害のベースラインレベルが高い高齢女性)し、かつ加齢と閉経による認知機能の低下も遅らせる可能性を示唆している。
論文情報
Sustained Cerebrovascular and Cognitive Benefits of Resveratrol in Postmenopausal Women
掲載誌 | Nutrients. 2020 Mar; 12(3): 828. |
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掲載日 | 2020年03月20日 |
DOI | 10.3390/nu12030828 |