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高齢者におけるマグネシウム摂取量とビタミンDの状態と認知機能との関連:2011 年から 2014 年の米国国民健康栄養調査 (NHANES) の分析-2020.05.09

2023年3月20日

マグネシウム摂取量と血清 25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D) 濃度と、高齢者における認知、およびこれらの栄養素間の相互作用との関連性を評価した。

研究方法

National Health and Nutrition Survey (NHANES) 2011-2014 に基づき、60歳以上2,466名のマグネシウム摂取量と血清 25(OH)D 濃度のデータをピックアップした。

数字記号置換テスト (DSST※)のスコアが最低四分位数よりも低い人を認知障害とした。血清 25(OH)D 濃度は、HPLC-タンデム質量分析法を用いた。

※実行機能と処理速度を評価する認知パフォーマンスの尺度。数字 (1 ~ 9) と一致する記号の表と、参加者が提供された数字に対応する記号を空のボックスに記入するよう求められ、スコアは2分以内に描かれた正しい記号の総数で採点される。正しい回答には1ポイントが与えられ、最大スコアは133 となる。
認知障害を検出するための明確に定義された DSST スコアがないため、今回は 34点以下を認知障害または低認知機能と定義した。

研究結果

栄養素単独の結果では、より高い総マグネシウム摂取量がより高い DSST スコアと関連していた(DSST で平均 4.34 ポイント高いスコアを獲得)。

総マグネシウム摂取量と高い DSST スコアとの関連が観察されたのは、主に女性、非ヒスパニック系白人、身体的に活発な人、十分なビタミンDステータスを持つ人だったが、有意な相互作用はみられなかった。

また、血清 25(OH)D 濃度と DSST スコアの間に関連性は見られなかった。認知障害の確率は、総マグネシウム摂取量および血清 25(OH)D 濃度の増加 に伴って減少(※)した。

※ビタミンDが十分(81-98 nmol/L)かつ総マグネシウム摂取量が多い(311-412 mg/日)人は、ビタミン D の状態が不十分 (<50 nmol/l) かつ総マグネシウム摂取量が少ない (<232 mg/日) 人と比べて、DSSTスコアが平均で 5 ポイント増加した。

結論

高マグネシウム摂取量(311-412 mg/日)だけでも高齢者の認知機能を改善する可能性があることを示唆しており、この関連性は十分なビタミンD状態(81-98 nmol/L)の被験者でより強い可能性がある。

論文情報

Association of magnesium intake and vitamin D status with cognitive function in older adults: an analysis of US National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES) 2011 to 2014

掲載誌 Eur J Nutr. Author manuscript; available in PMC 2021 Jun 1.
掲載日 2020年05月09日
DOI 10.1007/s00394-020-02267-4

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