アフリカ系アメリカ人(AA)は、白人(CC)よりもアルツハイマー病(AD)を発症する可能性が高いが、食事を変更することでAD発症リスクを低減できる可能性がある。そこで、ADの親を持つ46~77歳の認知的に正常なAAおよびCCの66名を対象に、AD発症リスクのある人の食事パターンと認知能力との関係を横断的観察研究にて調査した。
研究方法
参加者は、食物摂取頻度アンケート(FFQ)、8つの神経心理学的検査からなる認知機能検査、微小血管拡張機能および大血管機能の評価と自由行動下血圧測定を含む心血管危険因子評価をした。なお、FFQの食品は「脳卒中における地理的および人種的差異の理由(REGARDS)研究ガイドライン」に従って南部料理(特徴:揚げ物、脂肪、卵、臓器、加工肉、砂糖入り飲料などの食品)または健康的な食事(特徴:果物、野菜、全粒穀物、魚などの健康食品)に分類された。
研究結果
AAとCCは、血圧、動脈硬化、内皮機能などの血管測定値に違いはなく、AAと比較してCCがグローバル認知(MOCA)、多言語命名(MINT)、実行機能(Trails B)の各テストで有意に上回り、言語記憶(Buschke Delay)テストにおいてもAAを上回る傾向を示した。 また、パイ、マッシュポテト、砂糖飲料を摂取したAAは、CCと比較して有意に認知能力が低く、お茶、肉汁、食用油/脂肪は、AAの認知能力に負の傾向を示した。 健康的な食事に特徴的な全粒粉パン、焼き魚、グレープジュースなどの食品はCCの認知能力と正の相関があり、100%オレンジジュースはCCの認知評価でより良いパフォーマンスの傾向を示した。
健康的な食事をすることは、より良い認知結果と関連する可能性があります。
論文情報
掲載誌 | J Prev Alzheimers Dis. 2019; 6(1): 50–55. |
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掲載日 | 2018年11月30日 |
DOI | 10.14283/jpad.2018.44 |