健康な成人のストレス関連症状と認知機能に対する4週間のL-テアニン投与の考えられる影響を調べることを目的とし、無作為化プラセボ対照クロスオーバー二重盲検試験を実施した。
主要な精神疾患のない30人(男性9人と女性21人、年齢:48.3±11.9歳)に対し、L-テアニン(200mg /日;サンテアニン(太陽化学社製))またはプラセボ錠剤を4週間、毎晩睡眠前に投与した。
うつ病、不安、睡眠の質については、自己評価うつ尺度(SDS)、状態特性不安インベントリー(STAI)、ピッツバーグ睡眠の質指数(PSQI)をそれぞれ用いて評価した。
認知機能については、TRAIL-MAKING試験、ストループ試験、および統合失調症における日本版の簡易認知評価(BACS)を用いて評価した。
研究結果
結果、ストレス関連の症状について、自己評価うつ病尺度、状態特性不安インベントリー、およびピッツバーグ睡眠品質指数スコアはL-テアニン投与後4週間で有意に減少した(それぞれp=0.019、0.006、0.013)。
入眠潜時、睡眠障害、睡眠薬の使用に関するPSQIサブスケールスコアは、L-テアニン投与後に改善した(それぞれp=0.049、0.046、0.047)。
認知機能について、簡易認知評価のうち言語流暢さと実行機能のスコアがL-テアニン投与後に有意に増加した(それぞれp = 0.001と0.031)。
スコアを層別分析した結果、下半分にサブグループ化された個人において、有意な増加を示していた。
結論として、L-テアニンはストレス関連の病気や認知障害を持つ一般の人々において、精神状態を改善するための適切な補助食品成分となる可能性がある。
論文情報
掲載誌 | Nutrients. 2019 Oct; 11(10): 2362. |
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掲載日 | 2019年10月03日 |
DOI | 10.3390/nu11102362 |