プロバイオティクスの摂取は炎症の調節と関連しており、軽度認知障害(MCI)や認知症などの中枢神経系疾患に良いと考えられている。そこで、プロバイオティクス摂取により認知機能に変化が起こるのかを確かめるために、50〜79歳のMCI患者79名を対象にランダム化二重盲検プラセボ対照試験を行った。
研究方法
被験者は健康診断とMini-Mental State Examination(MMSE)を受け、プロバイオティクス摂取群とコントロール群に分けられた。プロバイオティクス摂取群にはビフィズス菌(B. breve A1:200億個)をコントロール群にはプラセボ(トウモロコシデンプン)を16週間毎日摂取してもらった。なお、認知機能はRBANS(Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status)とJMCIS(Japanese version of the MCI Screen)を用いて評価した。
研究結果
16週間の摂取後にコントロール群と比較してプロバイオティクス摂取群ではRBANSの合計スコアが有意に改善された。特に即時記憶、視空間/構造スコア、および遅延記憶は有意に改善した。JMCISスコアでは、プロバイオティクス摂取群はコントロール群と比較してPP(Per-protocol)分析で有意に改善した。
ビフィドバクテリウム ブレーベ(B.breve A1)の摂取はMCI患者の記憶機能を改善する可能性があります。
論文情報
掲載誌 | J Alzheimers Dis . 2020;77(1):139-147. |
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掲載日 | 2020年09月01日 |
DOI | 10.3233/JAD-200488. |